2016年10月9日 京都市内某所にて
覆面くん 著
明け方からびたびたと降り続いた雨も昼前にはすつかりと上がり、窓からのぞく秋の空には一面の薄雲がひろがつてゐます。
現在の時刻は13時25分、会場に集まつた人々は皆各々にぢつと開演を待ち構えているやうです。
やがて会場の照明が消え、窓に掛かるブラインドがズルズルと下がります。本日のモデレヱタアをつとめる太鼓の岡本さんから開会のアナウスがはじまり、会場の人々の視線が壇上に集まりました。
最初に発表するPotato4d先生も両手をひらひらさせながら登壇の時間を待ち構えてゐます。〔八文字不明〕そして終始両手をひらひらさせたまま発表を終えて仕舞いました。なんということでせう。
後になつて気が付いた事になりますが、実はこの時、僕は深い眠りに就いていたやうです。この両手をひらひらとさせる行為にはある種の催眠効果がふくまれているのです。その為、このあとの内容に確証は持てませんが大まかに説明すると次のやうになります。
まず先ほどのPotato4dさんからvue.js、次にモデレヱタアの岡本さんからReact、最後にゲストスピヰカアのおのうえさんからAngular2についての発表が休憩を挟みながら行われました。
WordBench とはWordPress というソフトウヱアに関わる人達のユウザアグルウプです。今回はng-kyotoというAngular に関わる人達で結成されたユウザアグルウプとの共催で行われており、よりフロントエンド技術に沿つた内容の発表が行われる事になつたやうです。
〔途中原稿焼失〕
気がつくと時は流れ、発表後の懇親会の時間となり、壇上ではライトニングトヲクが行われているやうでした。
「これWordBench ですよね? WordBench ですよね?」
Potato4d先生がしきりに小声で確認を求めてきます。
(おまえもWordPress の話全然してねえだろ)
そのやうなおもいを胸に秘め、にこやかな対応で配慮します。
ライトニングトヲクとはおよそ五分の持ち時間で行われるプレゼンテヱシヲンの一つです。
〔以下原稿無〕
底本:「新板覆面君全集 第二巻」 発行年不明
2016年10月17日作成
初出:tumblr